Dandelion Wine
written by Ray Bradbury

邦題は『たんぽぽのお酒』。
作者が子供時代を振り返りながら描いた、私の両親が生まれるよりも前の年代の話なのですが、
当時のアメリカの生活は、日本とはかけ離れていたので、それほど古くは感じません。
それに、子供時代というのは、世代や国を越えて共通のものがあるようです。
(もっとも、私の世代が、それらを共有している最後の世代かもしれませんが…。 テレビゲームが子供の遊びを変えたよね。)

物語は、自分をモデルにしたと思われる12歳の少年ダグラスと弟のトム、それに彼らと多少とも関わるグリーンタウンの住人達の、 1928年夏の様々な事件です。
共感したり、しみじみしたり、可笑しかったり、はらはらしたり、滑稽だったり、切なかったり、悲しかったり、 ブラッドベリは、SFだけの作家ではないことが、よくわかります。
(たんぽぽのお酒というのは、ダグラスの御祖父さんが、毎年夏に仕込むものなのだ。)
実は、昔、翻訳で読んだ時の印象が、あまり残っていないのです。きっとまだ、人生経験が足りなくて、心に十分に響かなかったのでしょう。
日本では青少年向けに出版されていた記憶があるのですが、大人になってから読んだ方が、味わい深いです。 むしろ、大人に対して書かれたのではないかと思います。

ところで、当時のアメリカの子供の遊びに、 私達が遊んだ「かたち鬼」とよく似た遊び、“Statue”というのが出てきて、やたら懐かしい。 「鬼」に当たる役割を“it”と言っています。


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